「喜んでくれると思って買って来たドッグフードを食べてくれない」「昨日まで食べていたご飯を急に食べなくなった…」
愛犬の食欲不振でお悩みの飼い主様は意外と多く、わがままで食べないのか、どこか調子が悪いのか、それとも別に原因があるのか、不安はつきません。今回はご飯を食べない愛犬の原因と対処方法をご紹介します。
食欲不振以外に普段と違う様子(嘔吐・下痢・元気がない・水も飲まないなど)があれば、緊急を要する場合もありますので動物病院の受診を強くお勧めします。
ご飯を食べない4つの原因
早速、原因を見てみましょう。愛犬の食欲不振の原因は大きく4つに分けられます。
原因 | 判断のポイント | 割合 |
---|---|---|
わがまま |
普段と変わらず元気はあるが、次のような状態である。
|
60% |
病気 |
|
20% |
ストレス |
次のような環境の変化があった。
|
15% |
老化 |
|
5% |
愛犬がご飯を食べない原因は大きくこの4つ(わがまま・病気・ストレス・老化)に分けられます。右端の割合は当サイトに寄せられたご相談2,248件の内、愛犬の食欲不振に関するものを原因別に分類集計したものです。(2020年1月現在)
ご飯を食べない原因がわがままの場合の判断のポイントと対処方法
4つの原因の中で最も多いのはわがままで、全体の60%に上ります。 わがままで食べないのか、それとも別に原因があるのか、判断のポイントとしては普段と変わらず元気があり次のような状態である場合、わがままと判断してよいでしょう。 但し、食欲不振が48~72※時間以上継続する場合は一度動物病院を受診されることをお勧めします。
・フードは食べないがおやつは食べる。
・フードの切り替え後、新しいフードを食べなくなった。
・問題行動を伴う食欲不振がある。
※一般的に48時間程度食欲不振が継続する場合、かかりつけの獣医師に相談するように言われています。しかしながら個体差も大きく、受診後健康状態に問題なしとの診断を受けるケースも多くあります。よって当サイトでは病院受診の目安を48~72時間以上という記載の仕方をしております。すべての愛犬が72時間以内の食欲不振なら問題なしというわけではないことをご理解いただき、愛犬の様子をしっかり観察し、普段と様子が違うと感じたらかかりつけの獣医師にご相談ください。
【対処方法】フードは食べないがおやつは食べる
しつけや何かのご褒美としてドッグフード以外のものを与えすぎていないでしょうか。
おやつは嗜好性が高く、犬は大好きです。おやつでお腹を満たしてしまうと、当然ですがフードは食べません。自分は与えていないつもりでも、知らないうちにご家族が与えてしまっているケースも多くありますので注意しましょう。
また、犬は人が食べているものを欲しがりますが、濃い味付けを覚えてしまうと本来のフードを食べなくなってしまいます。おやつは出来るだけ控え、人が食べているものは与えないようにしましょう。栄養の偏りや肥満などで健康を害してしまう前に食事環境の見直しを行ってください。
【対処方法】
おやつや人の食べ物を与えるのは控えましょう。また、ドッグフードを与えても食べる気配がなければ20~30分程度で下げてしまいましょう。“出された時に食べないと無くなってしまう”という学習をさせてあげる事で、与えたタイミングできちんと食べてくれるようになります。
【対処方法】フードの切り替え後、新しいフードを食べなくなった
吟味して選んだはずのドッグフードを食べてくれないことはよくある事ですが、フードを変える場合、それまでのドッグフードと新しいドッグフードを少しずつ混ぜて徐々に変えていってあげましょう。詳しい切り替え方法は下の記事を参考にしてください。
適切な切り替え手順を踏んだにも関わらず、やはり食べないということも珍しくありません。
そんな場合はどうすればいいのでしょうか?
ドッグフードを犬が好んで食べるかどうかの指標を「嗜好性」といいます。
例えば、食いつきが良い場合は嗜好性が高い、またあまり食べないような場合は嗜好性が低いなどと言います。もちろん人と同様、犬にも好みがありますので、今回の場合、新しいフードは愛犬にとってはあまり美味しくないフードだった。ということなのでしょう。
美味しさの要素は「味」「風味=におい」「食感」などに分けることができ、犬の場合「におい」が最も重要だと言われています。犬は犬種により異なりますが、人の嗅細胞(においを感じる細胞)の数のおよそ10~50倍の嗅細胞を持っており、フードに関しても、一番最初に「におい」で食べるか否かを判断していると言われています。味も嗜好性にとっては重要ですが、味を感じる受容体は人の4分の1程度と少なく、好んで食べるかどうかは第一に「におい」であり、味や食感はそれに次ぐものと考えられています。
ですので、食いつきが思わしくない場合は、においを強くしてあげることが最も効果的な方法となります。(但し、フードの酸化によるにおいの劣化には注意が必要です。)フードの匂いを強くする方法は下の記事を参考にしてください。また、ドライフードよりウェットフードの方が、一般的ににおいが強く、嗜好性が高いものが多いので、ウェットフードを現在のドライフードに混ぜる、またはウェットフードに変えてみることも対策としては有効です。
【対処方法】
油脂や嗜好性物質でコーティングしていないドッグフードは「におい」が強くないものもあります。そのようなドッグフードは電子レンジなどで人肌程度に加熱すると「におい」が強くなり食いつきが変わる可能性があります。 また適切なフードの切り替えの手順を踏むことで新しいフードにスムーズに移行できることがありますので試してみましょう。
愛犬の食欲不振。ご相談2,000件のお声から生まれた「ふりかけ」
食欲を呼び覚ます鹿肉の「におい」
当サイト「ネイチャーライフ」には愛犬・愛猫がご飯を食べてくれない、、どうしたらいいですか、、 というご相談を毎日のようにいただいています。その数既に2,000件超(2019年11月現在)。 ペットの食のプロである私たちは毎日飼主様と悩みを共有する中で愛犬・愛猫にストレスなく、手軽にワンちゃん、猫ちゃんの食欲を改善する方法を探し求めてきました。そして「体によいもの」を「毎日喜んで食べてくれる」さらに飼主様の負担にならない 「手軽さ」というコンセプトを突き詰め、このフードにトッピングする「太古の記憶 甦れ食欲!ふりかけタイプ」にたどり着きました。国内野生鹿を使い、特殊な乾燥技術により赤身の旨味と風味を損なうことなく商品化しました。袋を開けた瞬間にふわっと香る鹿肉の匂い。この匂いが愛犬・愛猫の食欲を刺激。どんな犬、猫でもこの匂いがたまりません。
【対処方法】問題行動を伴う食欲不振がある
「ご飯を食べない」という悩みは当サイトに多く寄せられるご相談です。お話をお伺いしていると「フードボウルからは食べない」「おやつしか食べない」など、問題行動があることに気づかされます。そして、これらの問題行動の多くは「しつけ」ができていないことに原因があるように感じています。犬はもともと群れで暮らす動物です。自然界の犬の群れでは上下関係がはっきり決まっており、これは群れが家庭になっても同じです。自分(犬)が一番えらいと犬に勘違いをさせてしまうことが「ご飯を食べない」という問題行動になって現れてしまうのです。
【対処方法】
・犬との上下関係をはっきりとさせ、「しつけ」を行える関係を築きましょう。
・ご飯はフードボウルから食べるようにし、食べなければ下げましょう。
・おやつは出来るだけ控え、人間が食べているものは与えない。(犬は人間が食べているものを欲しがりますが、濃い味のものを覚えてしまうと本来の主食を食べなくなります。)
ご飯を食べない時には「しつけ」ができているのか、飼い主がきちんとリーダーになれているのか、と振り返ってみることも必要かもしれません。
ご飯を食べない原因が病気の場合の判断のポイントと対処方法
ご飯を食べない原因として、わがままに次いで多いのが「病気」です。まず注意していただきたいのは、食欲不振以外にも他の症状が出ている場合です。
たとえば、元気がなかったり、吐き戻しや下痢、発熱や痙攣など、普段と様子が違うと感じたら動物病院の受診をご検討ください。獣医さんに診てもらう症状なのかどうかで受診を迷われる飼い主様もいらっしゃいますが、まずは電話で動物病院に相談してみるのも一つの方法です。愛犬の様子が普段と違うことに最初に気付けるのは飼い主様だけです。
また、ご飯は食べないものの普段と変わらず元気という場合はまず、わがままを疑ってみましょう。ご飯を食べなくなってから48~72時間(2~3日)未満であれば様子見で大丈夫です。多くのケースでお腹が空けば食べるようになりました。但し長期間食欲不振が続く場合は、一度かかりつけの動物病院にご相談されることをお勧めします。
【対処方法】
食欲不振以外に気になる様子があればまず獣医師に相談しましょう。元気があり普段と変わらないなら48~72時間以内は様子見で大丈夫。
※一般的に48時間程度食欲不振が継続する場合、かかりつけの獣医師に相談するように言われています。しかしながら個体差も大きく、受診後健康状態に問題なしとの診断を受けるケースも多くあります。よって当サイトでは病院受診の目安を48~72時間以上という記載の仕方をしております。すべての愛犬が72時間以内の食欲不振なら問題なしというわけではないことをご理解いただき、愛犬の様子をしっかり観察し、普段と様子が違うと感じたらかかりつけの獣医師にご相談ください。
ご飯を食べない原因がストレスの場合の判断のポイントと対処方法
犬はストレスによってもご飯を食べなくなることがあります。ではどんなことで愛犬はストレスを感じているのでしょうか。愛犬の性格によってもストレスを感じるシチュエーションは様々ですが、たとえば最近、次のようなことはありませんでしたか?
・ペットホテルに預けた。
・引越しした。
・留守番させることが多くなった。
・子犬や新しい家族をお迎えした。
この他にも愛犬をお迎えした当日など、環境に変化があるとそれがストレスとなります。 また留守番させることが多くなり、飼い主様とのコミュニケーション不足も犬に不安を与え、それがストレスとなる場合もあります。
【対処方法】
環境の変化によるストレスの場合はご飯をしばらく置いておき、様子を見るようにしましょう。また、コミュニケーション不足なら一緒に遊んであげる時間を増やす、散歩を長めにする等、愛犬と触れ合う時間をできるだけ増やす努力が必要でしょう。
ご飯を食べない原因が老化の場合の判断のポイントと対処方法
愛犬がご飯を食べないというご相談の内、純粋に老化だけが原因と思われる割合はわずか5%程度で、多くは病気やわがままが主な原因となり発生しています。ここでは病気やわがまま以外の老化による食欲不振の対処方法をご紹介していきます。 まず、高齢になると活動量、内臓機能の低下からある程度食事量が減少することは仕方のないことです。特にハイシニア期(大型犬で8歳〜、小型犬で11歳〜)では消化機能などの衰えと活動量の減少で食べる量が減ります。(持病の有無に関わらず高齢犬の場合は定期的にかかりつけの動物病院を受診すると安心です。) 嗅覚や味覚も衰え、常用薬の影響で食事の嗜好性が低下することがあります。口内環境の悪化も起こりやすくなりますので、その場合は、ドライフードを人肌程度に温める。またお湯やササミの茹で汁でふやかすなどして嗜好性と食感に変化をつけてあげると食いつきが変わることがあります。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
【対処方法】
嗅覚や消化機能の衰えに配慮したひと工夫をしてみましょう。
まとめ
愛犬がご飯を食べない原因と対処方法を説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。 原因の中で最も多い「わがまま」はご飯を食べなければ飼い主さんが心配してくれる、自分にかまってくれると考えている可能性があります。年齢も若く、持病もなければわがままを聞かないようにしましょう。一方、高齢犬は日々の体調の変化をチェックし、様子が違うなと感じたら早めに獣医師に相談されることをお勧めします。
やっぱり食べてくれない場合
健康にも問題がなく、色々対策を練ってみたけど、それでもご飯を食べてくれない。そんな時は当サービスにご相談ください。 アドバイザーが直接状況をお伺いいたしますので、次のことをあらかじめご確認ください。
- 犬種、年齢、性別、体重、去勢・避妊手術の有無、性格
- 使用しているフード名・おやつ
- 1日のフードの量と与え方
- フード以外に与えているものの有無(薬やサプリメント等)
- 使っている薬またはサプリメント等
- いつから(どんな状況で)食べなくなったか
- これまでに試したこと
- 獣医師の診断の有無
- 飼育環境(室内or屋外、冷暖房、留守番の時間など)
- お散歩の状況