生後3〜4週目、乳歯が生え始めたら離乳のタイミングです。
離乳期になったらできるだけ早く固形食を食べさせるようにしましょう。そうすることで、ストレスをかけずスムーズに離乳ができ、母猫への依存を減らすことができます。
まずはその固形食が食べ物であることを認識させるように努めましょう。ウェットフードもしくは柔らかくふやかしたドライフードを口元まで持っていき食べ物だと認識させます。また、好奇心でフードボウルに手を入れた後に毛づくろいをして、その際に被毛に付着している食べ物を口にして徐々に食べ物の味を覚えていくこともあります。
今回は、離乳期の食欲不振への対処方法をご説明します。
子猫の食欲不振は歯の生え変わりが原因?
離乳期の子猫の食欲不振の原因の一つとして「歯の生え変わり」があります。
痛みや違和感から食欲不振になっていることがありますが、しばらくすれば普段どおりに食べ始めるので心配はいりません。注意したいのは吐き戻しや下痢が見られる時です。無理に食事をさせないで獣医師に相談するようにしてください。また、水やミルクをまったく受け付けない場合も早めに診察してもらいましょう。
子猫が餌を食べなくとも様子見で良い時間を月齢や年齢から判断します。
- 1~2ヶ月齢…8時間以内
- 2~3ヶ月齢…12時間以内
- 3~4ヶ月齢…16時間以内
- 1歳以上…24時間以内(1日)
この時間の範囲内であれば異常ではありませんが、超えるようであれば早めに診察してもらいましょう。
その他考えられる原因と対処方法
食欲不振はあるが病気ではない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
おなかが空いていない
前回の食事の食べ過ぎでまだお腹が空いていないということが考えられます。 いつも一定量を与えるよう心がけると万一、病気による食欲不振が起こっても早く異常に気づけるようになります。
ご飯の劣化
自由採食(置き餌)をした場合、油分が酸化して「におい」が変わってしまっているのかもしれません。 猫はヒトと比べて6倍以上の「におい」の受容体を持っていて食べ物の「におい」で食べるか否かを判断していると言われています。置き餌をして時間がたった場合は新しいものに変えると食べ始めることがあります。
環境の変化
旅行中に猫をペットホテルに預けた等、環境の変化によるストレスが食欲不振につながっていることもよくあります。 食べなくなる前に置かれた環境を一度振り返ってみるようにし、落ち着ける状況をつくりましょう。
猫の成長期はフードに注意して!
いろいろ試してみたけどやっぱり食べないということもあります。持病がなければ色々なフードにチャレンジし、愛猫の気に入るフードを探してみましょう。ここでは成長期の猫の体の変化から適切と思われるフードをいくつかご紹介します。(もちろん、ここで紹介するフードが全てではありません。)
猫の成長期っていつまで?
離乳後、猫の体は成長期を経て12ヶ月程度で成猫になります。
成長期には2つの段階があり、急速に成長する生後4ヵ月まで(ステージ1)と、その後成長がゆるやかになる生後4ヵ月以降(ステージ2)のふたつの時期に分けられます。
ステージ1(生後4ヵ月まで)
この時期の子猫の体は急速に成長し、体重4〜5倍に増加します。 栄養素の中でも特にタンパク質は重要で、体を作るために消化吸収の良いものを大量に必要とします。 またエネルギーの要求量は体重ベースで成猫の2倍以上と高カロリーの食べ物も必要とします。
ステージ2(4ヵ月〜12ヵ月)
生後4ヶ月目以降、徐々に成長の速度はゆるやか(体重は2〜3倍程度増加)になります。 しかし高カロリーで良質なタンパク質は継続的に必要としています。
猫は哺乳類の中でももっとも多くのタンパク質を必要とする肉食動物です。 AAFCO(米国飼料検査官協会)ではドライフードベースで30%以上のタンパク質を含んでいることを推奨しています。 一方で炭水化物は基本的に必要とせず、40%を超える「でんぷん」などは消化不良を起こす可能性があることが分かっています。
以上のことから成長期の子猫に適したフードの条件は以下のようになります。
- ドライフードに含まれるタンパク質は最低30%なければ成長に悪影響が出る可能性がある。
- 炭水化物の含有量は40%を超えないものを選ぶ。
また子猫に必要な1日のエネルギー(カロリー)は下記の計算式から導きます。
体重500gの子猫(生後4ヵ月未満)の場合
(安静時のエネルギー要求量)RER = 30×体重(kg)+70
(1日当たりのエネルギー要求量)DER = RER×3.0
(安静時のエネルギー要求量)RERは
85kcal = 30 × 0.5kg + 70
となります。
さらに、そのライフステージと活動量から(1日当たりのエネルギー要求量)DERを求めます。 DERを求める計算式は、DER = RER×3.0 ですから、
(1日当たりエネルギー要求量)255kcal
となります。4ヵ月目以降のステージ2ではRERに掛ける係数は小さくなっていきます。愛猫が必要なカロリーを取れているのか不安な方はエネルギーの計算も当サービスで行なっておりますので、お気軽にご相談ください。
子猫用のフード比較
ここまでお読みいただいた方は成長期の子猫がいかにタンパク質などの栄養素を必要としているかお分かりいただけていると思います。
ここでは市販されている子猫用(成長期用)のキャットフードの成分を比較し、適したフードを探してみたいと思います。
注目いただきたいポイントはタンパク質、炭水化物の量です。タンパク質は30%以上含みかつ炭水化物40%以内のキャットフードをピックアップしました。炭水化物量が多いと必然的に良質なエネルギー源である脂肪量が少なくなります。つまり量を食べなけば必要な栄養を摂取できないことになります。一度にあまりたくさん食べられない子猫の場合、炭水化物量の少ないフードを選ぶようにしてください。
子猫のフード選びに迷ったらお気軽にフリーダイヤルまでご相談ください。(パッケージ、成分等は予告なく変更される場合があります。)
パッケージ- メーカー/輸入販売元
- 商品名
- タンパク質42%
- 炭水化物19%
- 保存料人工保存料不使用
- コメント成長期に欠かせない良質な動物性タンパク質が豊富。かつ高すぎない炭水化物割合が猫の食性に合っています。
パッケージ- メーカー/輸入販売元
- 商品名
- タンパク質37%以上37%以上
- 炭水化物23%22.5%
- 保存料人工保存料不使用人工保存料不使用
- コメント成長期の子猫にかかせない豊富なタンパク質を含み、低炭水化物。成長期の子猫にかかせない豊富なタンパク質を含み、低炭水化物。魚を好む愛猫に。
パッケージ- メーカー/輸入販売元
- 商品名
- タンパク質37%以上35%以上
- 炭水化物21.5%24.9%
- 保存料人工保存料不使用人工保存料不使用
- コメント成長期の子猫にかかせない豊富なタンパク質を含み、低炭水化物。自然の草を食べて育ったラムをベースにしたフードです。成長期の子猫にかかせない豊富なタンパク質を含み、低炭水化物。アレルギーのある愛猫にうれしいグレインフリー。
パッケージ- メーカー/輸入販売元日本ヒルズ・コルゲートロイヤルカナン
- 商品名
- タンパク質35%以上34%以上
- 炭水化物27%約34.9%
- 保存料人工保存料不使用BHA
- コメント動物性タンパク質として鶏肉を採用。トウモロコシ等の植物原料も多く含むため炭水化物料は多め。ゆるやかに成長を続ける成長後期の子猫のための食事。添加物のBHAは気になる場合避けた方がよい。
健康にも問題がなく、色々対策を練ってみたけど、それでもご飯を食べてくれない。そんな時は当サービスにご相談ください。 アドバイザーが直接状況をお伺いいたしますので、次のことをあらかじめご確認ください。
- 猫種、年齢、性別、体重、去勢・避妊手術の有無、性格
- 使用しているフード名・おやつ
- 1日のフードの量と与え方
- 使っている薬またはサプリメント等
- いつから(どんな状況で)食べなくなったか
- これまでに試したこと
- 獣医師の診断の有無
- 飼育環境(室内or屋外、冷暖房、留守番の時間など)