猫も人と同様に、高齢になると活動量が低下し必要なカロリーも少なくなります。
老化がはじまる歳はバラバラですが、老化現象の一つの例として「日中の多くを寝て過ごすようになる」ということがあります。
ですので高齢になると自然と食事量も少なくなりますが、とはいえ、キャットフードをほとんど食べない、またはまったく食べないとなると注意が必要です。食欲の低下は病気の初期症状であることも多く、早めに獣医師に診察してもらいましょう。
餌を食べない猫。何日まで大丈夫?食欲不振と病気について
まず食べない場合、次のことを試してみましょう
それでは病院で異常なしと診断されたが、やはり食べない場合どうすればよいのでしょうか。 高齢期の猫は味覚や消化器が弱くなってくるため、特に嗜好性(好んで食べるかどうか)や消化のことを考えて次のことを試してみましょう。
- ドライフードを温めて嗜好性を上げる。詳しくは次の記事を参考にしてください。
- ドライフードをお湯でふやかしてみる。(嗜好性と同時に食感や消化もよくなる)
- ウェットフードに変えてみる。(一般的にドライフードよりウェットフードの方がニオイが強く、食いつきが良い。また消化にも良い。)
水を飲んでいるかチェックしましょう
食欲不振が続くと食事のことばかり気になりますが、脱水症状を避けるため水を飲んでいるかもしっかりチェックしましょう。高齢猫は「のどが渇いた」という感覚も鈍くなっているため、飲水量が少ない場合はウェットフードの使用やドライフードをふやかすといった工夫をしてあげましょう。
その他、よく行く場所に新鮮な水を置いてあげる。また、中には鶏肉、魚、またはブイヨンで作った小さな氷で風味付けした水を好むコもいますので好みを把握しましょう。ヒゲの感覚が敏感な猫には広口のボウルに新鮮な水を満たして飲みやすい環境を作ることも大切です。
上述しました「フードを温める」「お湯で食感を変えてみる」等で食いつきが変わるか、まず確認してみましょう。
次はフード自体を変える方法をご説明します。合わせて高齢猫に適したフードとはどのようなものか、猫の体の変化も踏まえて考えていきます。
フードを変えてみる
いろいろ試してみたけどやっぱり食べないということもあります。持病がなければ色々なフードにチャレンジし、愛猫の気に入るフードを探してみましょう。 ここでは高齢期の猫の体の変化から適切と思われるフードをいくつかご紹介します。(もちろん、ここで紹介するフードが全てではありません。)
7歳以上になったらシニア用フードを食べさせた方がいいの?
高齢期に入ったらシニア用フードに変えた方がよいのか?多くいただくこの質問ですが、結論から申し上げると変えた方がよいでしょう。
理由として、猫がかかりやすい慢性腎不全が挙げられます。この病気は腎臓の機能が徐々に衰え、機能しなくなる病気です。15歳以上の高齢猫の3割が罹患していると言われおり、年齢が高くなるにつれてかかりやすくなる、特に注意が必要な病気の一つです。
慢性腎不全はミネラルの一種である「リン」の過剰摂取が進行を早めることが知られており、高齢期に入ったらリンを制限したフードに切り替えることで腎臓の機能低下に配慮することができると考えられています。また、活動量の低下から太りやすく、すでに肥満傾向がある場合はカロリーを抑えたフードに変更することも必要でしょう。
慢性腎不全については下の記事も参考に注意したい症状があらわれた場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
愛猫が腎臓ケアフードを食べない!対処方法まとめ
愛猫のダイエットについては以下の記事をご覧ください。
愛猫の肥満対策!ダイエット方法のご紹介
シニア期に適したフードとは
・腎臓の機能低下に配慮し「リン」を制限したフード
・肥満傾向があればカロリーを抑えたフード
注意点として、パッケージにシニア用と謳われていても全てのシニア用フードが「リン」を制限した配合とはなっていないことです。
ペットフードの栄養基準を設定するAAFCO(米国飼料検査官協会)では健康な成猫に推奨されるリンの量を0.5%以上(ドライフードベーズ)としています。
リンは腎臓に負担をかける一方、骨や歯、細胞を作るために体にとって大切な栄養素でもあるため摂取をゼロにすることはできません。健康な高齢猫の(腎臓病ではない)場合、AAFCOの栄養基準に従いリンの含有量は0.5%〜1%未満を基準にフードを選ぶと良いでしょう。